okamurashinnのブログ

表象文化論、アニメーション、キャラクター文化、現代美術に興味があります。

芸大卒展

 3年ぶりくらいに芸大卒展に行った。あいにくの雨だったけど、会場は美術系展覧会にも関わらず若い人がとても多くて驚いた。やはり卒展は関係者含めて、若い人多めなのかも。

 久しぶりの展覧会であることに加え、尋常なく寒く、早期撤退を心に誓いながら芸大に潜入。芸大美術館とキャンパスの建物何個か、都美の展示スペースを回った。作品自体はかなり多くて、一点一点丁寧に見ることはできなかったのだが、油画も日本画も暗い絵が多い。噂によると絵の具代が高いからとか。確かに、油画も日本画も発色のいい絵の具は高そうだ。学生さんにはなかなか厳しそう。
 それに対し、先端やデザインのような学科は様々な材料を扱えるため、目立つキャッチーな作品が多いように思えた。先端は映像やインスタレーションのようなものが多く、他にも絵画や立体作品など多種多様な素材を用いた作品が出品されている。
 
 一通り見た感想として、難解な作品ばかりでなく、私でも少しコンテクストが汲み取れるような作品があって楽しめる展覧会だなと感じた。
 難しい美術理論や社会に訴えるような芸術ばかりでなく、一般の閲覧者にもわかるようなユーモアのある作品も重要なことを確認できた。芸術作品である以上、一定以上のハイコンテクストな内容が必要なのは確かなのだが、必要以上にハイコンテクストすぎると門戸が狭くなってしまう。多くの人に共有されているコンテクストを用いた、少しわかりやすい作品も作品として認知される必要があるのではないだろうか。